私たちは、普段日常で数字を扱う時は、十進法を用いて、「1,2,3,・・・」や漢数字「一、二、三」、「壱、弐、参」で表現することが多いでしょう。
御祝儀袋などでは、「壱、弐、参」のように難しい漢字を使って表現しているのを見たことがあるかもしれません。また、古い書物では、 「壱、弐、参」と書かれていることが多いので、見たことがあるかもしれません。
これらの漢字は、同じ数を表現しているにもかかわらず、異なる漢字が存在するので、使い分けがされていたり、意味があると思いましたので、調べてみることにしました。
漢数字の「一、二、三」はなぜ「壱、弐、参」なのか
「壱、弐、参」のように「一、二、三」のような単純な形の漢数字の代わりに用いる漢字を「大字(だいじ)」という。
701年の「大宝律令(日本で初めてとされる法律)」では、漢字の読み間違いや書き間違いを防ぐ 目的、線を書き足すことで、数字を増やす詐欺などを防ぐ目的、などで大字が使われていたそうである。この時、公式文書には、大字を使うことが定められており、一から万までの数字に大字が使われていたそうである。
例)線を書き足すことで数字を増やす詐欺
・1を2へ ・・・ 「一」の下に棒を1本足すことで「二」
・2を3へ ・・・ 「二」の中に棒を1本足すことで「三」
・3を5へ ・・・ 「三」の中に縦棒を2本足すことで「五」
・1を10へ ・・・ 「一」のに縦棒を1本足すことで「十」
しかし、すべての漢数字を改竄することは難しい。
「四」、「五」は、書き足すとバランスが崩れるため、改竄がばれてしまいます。
会計書類や法的文書では、改竄しやすい漢数字の「一」「二」「三」「十」の4種類だけが「壱」「弐」「参」「拾」の大字を用いることが法令で定められている。